気管支喘息

最近、急に寒くなったり台風が上陸したりと気候が不安定ですね。皆様、お変わりありませんでしょうか。先日、小学生の娘に秋はいつからなのかと聞かれました。「蝉が鳴いている間が夏で、コオロギが鳴き始めたら秋だよ。」と教えました。私達、医師も病の流行りで季節を感じることがあります。夏から秋など、季節の変わり目に発症する病気に喘息があります。最近、喘息による咳が増えているようです。今回は喘息についてまとめてみました。

喘息とはどのような病気ですか?
 息をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がしたり、咳が出たりする病気です。咳以外の症状がない、「咳喘息」というものもあります。気道が炎症を起こすことにより生じ、良くなったり悪くなったりを繰り返します。

どのような人がなりやすいですか?
 体質による影響があります。親が気管支喘息の場合、そうでない人と比べて3〜5倍程度、喘息になりやすいです。アトピー体質の方や肥満がある方はリスクがあります。子供では男児の方が多いですが、10歳以降では男女とも変わりありません。
 その他、環境の影響も受けます。室内では、ダニ、カビやペット、屋外では花粉などのアレルギーが喘息の原因になります。乳幼児期のライノウイルス、RSウイルスや細菌による気道感染も喘息の原因として知られています。その他、大気汚染や喫煙も喘息の原因です。

子供の病気ではないのですか?
これはよく聞かれる質問です。表に示したように、子供のころに発症し成長に従い改善する方(小児喘息)と、成人してから発症する方がいます。

(平成26年度厚生労働省患者調査より)

どのようなことで悪くなりますか?
以下のようなものが誘因として知られています。
(1)呼吸器感染症
ライノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなど
(2)アレルゲン
室内では、ダニ、カビやペット、屋外では花粉など
(3)運動や過換気
運動による喘息を予防するには準備運動がよいとされています。それでも予防できない場合、運動前に投薬する必要があります。
(4)気象
曇天、台風や気温の急激な変化など。前日と比較して3℃以上気温が下がると発作が増えるとの報告があります。
(5)薬
成人で喘息をお持ちの方の10人から20人に一人はアスピリンなどの消炎鎮痛剤で喘息が誘発されます。
(6)食品やアルコール
アレルギー物質を含む食品やアルコールを摂取することで、喘息が誘発されることがあります。
(7)刺激物質
タバコの煙、線香、焚き火、花火、煙、二酸化硫黄(大気汚染、火山や温泉)が喘息の誘因として知られています。
(8)ストレス
疲労や精神的ストレスも喘息の原因になります。

検査や治療については次回、紹介したいと思います。

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