不眠症と認知症

 しばらくブログの更新を怠っておりましたが、皆様おかわりありませんでしょうか。学会や講演会で興味深い話を聞き、これは書き残しておこうと思うネタは色々とあったのですが、一度、執筆作業を離れると腰が重くなり…. 
少しずつでもブログを再開していこうかと思えるほど、目からウロコが落ちる話を聞いてきましたので久々に情報発信したいと思います。
 
 皆様、認知症をご存知でしょうか。認知症とは、一度できるようになったことが脳の機能が障害されてできなくなり、日常生活に支障をきたすようになった状態です。日本では、2012年の時点で65歳以上の方の7人に1人が認知症だと報告されています。最近、不眠症と認知症の関係について、大分大学の石井先生の講演を聞いてきました。
要約すると、
1. 不眠症があると認知症になりやすい。
2. 認知症になると不眠症になりやすい。
認知症と不眠症は互いに悪影響を与える関係にあるそうです。そのメカニズムが2013年にScienceという科学誌に報告されています。脳内にアミロイドβタンパク質が蓄積することが、アルツハイマー型認知症の原因の一つであると考えられています。脳の老廃物は色々な方法で取り除かれるのですが、アミロイドβは睡眠中には覚醒時の約2倍の速さで脳内から除去されるそうです。すなわち、不眠になると脳内にアミロイドβが蓄積し認知症のリスクが高まるというのです。睡眠には、脳から老廃物を除去し脳の機能を健康に保つはたらきがあることが明らかになりました。

 日本医師会からの報告によると、日本では不眠症で病院を受診される方が他国と比べて少ないそうです。そういう方は、お酒の力を借りて眠りについているようです。確かに、お酒には寝つきをよくする作用があるのですが、深い睡眠を妨げます。お酒を飲んだ後、何度もトイレで目が醒めるという経験はありませんか?
飲酒も認知症のリスク因子です。
不眠症でお悩みの方は、是非ご相談ください。

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