腸内細菌

日本内科学会に参加してきました。色々と興味深い話を聞くことができましたので、いくつか紹介したいと思います。
今回のテーマの一つに腸内細菌がありました。最近、テレビでも取り上げられているので、ご存知の方も多いかもしれません。腸内細菌とはヒトや動物の腸にいる細菌のことです。成人の腸には数百から数千種類の細菌が、数十兆から数千兆個いると言われています。ヒトは母親のおなかの中にいるときは無菌状態ですが、出産や授乳の際に母から細菌を受け継ぎ、1歳の頃には大人とほぼ同じ組成になっていることがわかっています。近年、腸内細菌がヒトの健康や病気に色々と関わっていることが、わかってきました。例えば腸内細菌はヒトが消化できない食物繊維を分解したり、生成できないビタミン類を合成したりしています。腸内細菌の組成や数のバランスが崩れる(dysbiosis)と、色々な病気の原因になります。肥満、糖尿病、炎症性腸疾患、動脈硬化症や多発性硬化症などがその例です。
興味深かったのは、食事の内容によって腸内細菌のバランスが変わるということです。東京オリンピック以降、日本では炎症性腸疾患が増えています。脂肪の多い食事が腸内細菌のバランスを乱し、その原因となっているのではないかという話がありました。腸内細菌のことを勉強しはじめたら、普段の食事が腸内細菌の餌に思えてきましたね(笑)。
そもそもヨーグルトをよく食べるブルガリア人は長生きだということから、健康食品としてヨーグルトが注目されてきました。それが発展し、炎症性腸疾患をヨーグルトなどで治療しようという研究がありますが、まだまだ課題が多いようです。腸内細菌、これからも注目していきたいと思います。

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